HOME > ニュース > 過去のニュース一覧 文字サイズ 大きくする 普通

2017年3月31日

日本政府の核兵器禁止条約の制定交渉不参加について

神奈川県生活協同組合連合会
代表理事会長 當具 伸一

 

3月28日の午前10時過ぎ、米ニューヨークの国連総会会議場で核兵器の保有や使用を法的に禁止する核兵器禁止条約制定に向けた歴史的な初の交渉会議が始まりました。110か国以上が出席したと伝えられています。

一般的意見交換の初日は「ハイレベル・セグメント」として、午前にはキム・ウォンス国連軍縮担当上級代表、フランシスコ・ローマ法王(代読)、ペーター・マウラー国際赤十字委員会(ICRC)総裁(ビデオメッセージ)、藤森俊希日本被団協事務局次長らに続いて11の国家及び国家グループが、午後には18の国家がそれぞれの見解を述べました。日本政府は午前の最後に発言を行いました。

壇上に立った高見沢将林軍縮大使は、「原爆の実相とその人道的結末に対する明確な認識について意識啓発することは唯一の戦争被爆国たる日本の使命」と述べるも、「(交渉会議に)建設的かつ誠実に参加することは困難」と今後の議論に参加しない意向を明言し、2日目からは日本政府席は空席となってしまいました。

空席となった日本の席には28日、NGO組織「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」のテア・カトリン・ミエルスタッドさんらにより、核廃絶のメッセージ入り折り鶴1羽が、「日本が参加して、折り鶴が寂しい思いをしないよう連れ帰ってほしい」との思いを込めて置かれました。

 

核兵器廃絶を願う日本国民として、唯一の戦争被爆国でありながら核兵器禁止条約制定に向けた交渉会議の成功に背を向ける今回の政府の行動を大変遺憾に思います。

 

高見沢将林軍縮大使の27日の発言は、「原爆の実相とその人道的結末に対する明確な認識について意識啓発することは唯一の戦争被爆国たる日本の使命」と述べるものの、「建設的かつ誠実に参加することは困難」と今後の議論に参加しない意向を明言しました。またその理由とすることは、これまで日本が繰り返し述べてきた基本姿勢の説明以上のものではなく、「現実的」「具体的」「実際的」といった言葉は繰り返されましたが、核軍縮が長年にわたり行き詰っていること、NPT合意が完全履行されていないこと、核兵器使用の危険性が高まっていること、まさにその「現実」の上で、だからこそ世界の国々が危機感を持ち、今回の歴史的な交渉会議に至っていることを無視しています。

 

日本に先だって登壇したオーストリアは、「率直にお伺いします。もしあなたもリスクにお気づきだとしたら、他に何か良い方法があるとでもいうのでしょうか? 何もしないということがより良い戦略だというのでしょうか?なぜこんなに面倒なことをしているのか、と人に聞かれます。のんびり座って、核事故が起こるのを待てばいい、テロリストが核爆発を起こすのを待てばいい。そうすれば各国は慌てて集まって核兵器を禁止するでしょう。私はそんなことはごめんです。核の惨禍を待つことは戦略ではありません。それは過去、そして未来における核被害者たちを冒涜することに他ならないからです。核兵器禁止のプロセスを始めるよいタイミングがあります。それは今です。」と発言しました。

この率直な発言こそ、世界の国々の声に他なりません。

 

今回の行動で日本への信頼感喪失は限りなく大きいものがあります。

核兵器の廃絶に向けて核兵器保有国との橋渡しを具体的な行動で示して、次回の交渉会議には必ず出席することを求めます。

前のページにもどる このページトップへ
サイトマップ 神奈川県生協連トップページへ