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2017年3月31日

初の核兵器禁止条約の制定交渉会議への日本政府不参加について

神奈川県消費者団体連絡会

事務局長 丸山 善弘

 

3月28日の午前10時15分より国連総会会議場で歴史的な会議が始まりました。核兵器の保有や使用を法的に禁止する核兵器禁止条約制定に向けた歴史的な初の交渉会議です。参加国は115か国以上で、220人を超えるNGOも出席したとの事です。

議長を務めるコスタリカのホワイト大使は30日に記者会見を開き、「議長として(議事の)進み具合にとても満足している。効果的な核兵器禁止のための法的措置を7月7日までに作り上げることは達成可能な目標だ」と述べました。また、被爆者の藤森俊希さんやサーロー節子さんらが会議で証言したことに触れ、「核兵器のいかなる使用でも起こる破滅的な人道上の影響を各国の代表に思い起こさせ、よい結果達成に向けた各国の責任を再確認させてくれた」と評価したと報道されています。

 

一般的意見交換の初日は「ハイレベル・セグメント」として、午前にはキム・ウォンス国連軍縮担当上級代表、フランシスコ・ローマ法王(代読)、ペーター・マウラー国際赤十字委員会(ICRC)総裁(ビデオメッセージ)、藤森俊希日本被団協事務局次長らに続いて11の国家及び国家グループが、午後には18の国家がそれぞれの見解を述べました。日本政府は午前の最後に発言を行いました。

壇上に立った高見沢将林軍縮大使は、「原爆の実相とその人道的結末に対する明確な認識について意識啓発することは唯一の戦争被爆国たる日本の使命」と述べるも、「(交渉会議に)建設的かつ誠実に参加することは困難」と今後の議論に参加しない意向を明言し、2日目からは日本政府席は空席となってしまいました。

空席となった日本の席には28日、NGO組織「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」のテア・カトリン・ミエルスタッドさんらにより、核廃絶のメッセージ入り折り鶴1羽が、「日本が参加して、折り鶴が寂しい思いをしないよう連れ帰ってほしい」との思いを込めて置かれました。

 

私たちには折鶴の泣き声が聞こえます。

核兵器廃絶を心より願う日本国民として、唯一の戦争被爆国でありながら核兵器禁止条約制定に向けた交渉会議の成功に背を向ける今回の政府の行動を大変遺憾に思います。

 

高見沢将林軍縮大使の27日の発言は、「原爆の実相とその人道的結末に対する明確な認識について意識啓発することは唯一の戦争被爆国たる日本の使命」と述べるものの、「建設的かつ誠実に参加することは困難」と今後の議論に参加しない意向を明言しました。またその理由とすることは、これまで日本が繰り返し述べてきた基本姿勢の説明以上のものではなく、「現実的」「具体的」「実際的」といった言葉は繰り返されましたが、核軍縮が長年にわたり行き詰っていること、NPT合意が完全履行されていないこと、核兵器使用の危険性が高まっていること、まさにその「現実」の上で、だからこそ世界の国々が同じ危機感を持ち、今回の歴史的な交渉会議に賛同し参加していることを無視しています。

日本に先だって登壇したオーストリアは、「率直にお伺いします。もしあなたもリスクにお気づきだとしたら、他に何か良い方法があるとでもいうのでしょうか? 何もしないということがより良い戦略だというのでしょうか?なぜこんなに面倒なことをしているのか、と人に聞かれます。のんびり座って、核事故が起こるのを待てばいい、テロリストが核爆発を起こすのを待てばいい。そうすれば各国は慌てて集まって核兵器を禁止するでしょう。私はそんなことはごめんです。核の惨禍を待つことは戦略ではありません。それは過去、そして未来における核被害者たちを冒涜することに他ならないからです。核兵器禁止のプロセスを始めるよいタイミングがあります。それは今です。」と発言しました。

この率直な発言こそ、世界の国々の声ではないでしょうか。

 

国際人道法は、無差別殺傷兵器の使用や、残虐な兵器の使用を禁止しています。

人類は、1972年:生物兵器禁止条約、1993年:化学兵器禁止条約、1997年:対人地雷禁止条約、2008年:クラスター爆弾禁止条約と、無差別殺傷兵器の使用や残虐な兵器の使用、開発、生産、保有を禁じて来ました。これらをはるかに上回る破壊力をもつ核兵器を禁じることに何のためらいが必要でしょうか。

現存する 1 万数千発の核兵器の破壊力は、広島・長崎の2発の原爆の数万倍にもおよびます。核兵器は、人類はもとより地球上に存在するすべての生命を断ち切り、環境を破壊し、地球を死の星にする悪魔の兵器です。

今回の行動で日本への失望、日本への信頼感喪失は限りなく大きいものがあります。

 

私たちは日本政府に求めます。

  1. 条約会議の後半は6月15日から7月7日までです。日本が世界から平和外交の信頼を取り戻すためにも、後半に向けて、核兵器の廃絶のために核兵器保有国との橋渡しを具体的な行動で示して下さい。
  2. 次回の交渉会議には必ず出席して核兵器廃絶のために積極的な役割を果たして下さい。
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