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2017年4月19日

意見・声明「テロ等組織犯罪準備罪」いわゆる共謀罪の制定には慎重な対応を求めます

神奈川県生活協同組合連合会
専務理事 丸山 善弘

 

この4月6日に衆議院本会議で審議が開始された「テロ等組織犯罪準備罪」いわゆる共謀罪の制定には、日本ペンクラブをはじめとする表現者、弁護士会、法律研究者や地方議会から廃案または慎重な審議を求める意見書が出されている通り、日本国憲法が定める「基本的人権」と「近代刑事法の原則」から考えると、慎重の上にも慎重な判断と対応を求めるものです。

 

日本国憲法が定める「基本的人権」と「近代刑事法の原則」に反するもの

この法案は過去に3度国会に上程され、いずれも廃案となっています。

今回の法案はこれまでの法案と同様に、事前に相談すると見なされただけでも処罰するとしています。共謀罪の考え方は、日本の刑事法の体系と全く相いれないものです。日本では既遂を処罰する事が原則です。心の中で考えただけではむろん犯罪たり得ません。犯罪を実行して初めて処罰されます。未遂や予備、陰謀などで処罰するのは重大事件の例外のみですが、これ自身異論があるところです。

また、人の心の中にまで手を突っ込む事は、憲法で絶対的に保障されている「内心の自由(思想信条の自由)」の侵害に他なりません。それは表現の自由、集会・結社の自由など自分の意思を表明する、あるいは表明しない自由を根本から奪うものです。

 

オリンピックを理由とするのは詭弁です

2020東京オリンピックを引き合いに出して共謀罪の必要性を説明していますが、そもそも招致の決め手は「安全と治安のよさ」と言っていたのではなかったでしょうか。現行法で、十分なテロ対策が可能であるにもかかわらず、共謀罪を新設しなければ東京オリンピックを開催できないというのは、オリンピックを人質にとった詭弁です。

国際組織犯罪防止条約はマフィアや暴力団を対象にしたものです。日本はテロに対応する国内法がすでに多くあることも確認しておきたいと思います。

 

監視社会はゴメンです

今回の法案では二人以上の計画と準備行為の段階で摘発できます。捜査当局が犯行前の共謀や準備行為を摘発するには、常に国民を疑い監視する社会づくりが必要です。通信傍受や密告が横行し奨励される社会は自由が奪われた「監視社会」そのものです。私たちの日本は治安維持法の苦い経験をもっています。治安維持法も「一般の人は対象にならない」との説明で始まりました。治安維持法が制定された1925年から廃止されるまでの20年間の犠牲者は、逮捕者数十万人、送検された人75,681人、虐殺された人90人、拷問、虐待などによる獄死1,600人余、実刑5,162人にものぼっているのが日本の歴史です。この歴史を絶対に繰り返してはなりません。

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