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2018年2月11日

「生活保護基準の引き下げ」の撤回を求めます

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

厚生労働省は12月に生活保護基準の5%引下げを発表しました。この生活保護費のうち、食費や衣服費など日々の生活に必要な生活費である「生活扶助」の部分について、5年ごとに見直しをすることになっており、その生活扶助の見直しが行われたものです。

生活保護世帯は、2017年10月時点で約164万世帯、延べ人数で約212万人になります。神奈川県内では119,089世帯、156,408人です。県民人口1,000人あたりでは17.07人となっています。世帯の類型別に見ると、高齢者世帯:51.2%、母子世帯:6.6%、障がい者世帯:12.5%、傷病者世帯:11.5%、その他世帯18.2%です。また、被保護世帯の79.0%が単身者世帯です。

生活保護基準の引き下げは、生活保護世帯だけの問題ではありません。今回の生活保護基準の見直しで影響が出るとされる制度は国だけで30以上あり、各自治体の独自制度を含めると数はさらに増えます。自治体によって異なりますが、生活保護基準を目安に利用条件を決めている、就学援助や国民健康保険料の減免、大学等授業料減免、公営住宅家賃の減免、無料低額診療、生活福祉資金の貸付などや、住民税が非課税か否かで負担・支給額が変わる保育料や医療費、介護保険料などの非課税世帯への優遇措置制度などに影響が出てきます。

これらによって影響を受ける人は、生活保護受給者を含めて、約3,000万人にも及ぶとも言われています。生活保護基準を下げることは、支援の対象者を減らすことであり、生活が苦しくても法的には困窮者とは認められなくなることを意味します。

生活保護は、憲法25条が定める「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する重要な制度です。人生の中で誰でも色々起こり得る突然の病気や事故、ひとり親家庭など、様々な事情で生活が困窮した際に、生活の基盤を立て直し、再び自立した生活へと暮らしを再建していくためにも必要な制度です。

 

更に生活保護基準は最低賃金とも連動しており、いつも双方の整合性が言われています。最低賃金は時間給のパートやアルバイトだけではなく、月給をもらっている被雇用者も時間給に換算して月額給与に適用されるので、給与も上がりにくくなるでしょう。決して、生活保護世帯だけの問題ではありません。

緩やかに景気は回復しているとしていますが、生活保護基準以下またはそれよりも少し上という低所得層の増加傾向は変わりません。厚生労働省の「平成28年度 国民生活基礎調査」を見ても、年間所得が200万円以下の世帯は19.6%、300万円以下の世帯は33.3%で、平均所得(545万8,000円)を下回る世帯は全世帯の60%以上にものぼっている現実があります。2019年10月には、消費税のさらなる増税も予定されています。

くらしの困難を抱える多くの国民に、さらに追い打ちをかける生活扶助費5%の引き下げについては撤回を求めます。

 

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