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2018年8月27日

消費者契約法施行規則の一部を改正する内閣府令案、および適格消費者団体の認定、監督等に関するガイドラインの改訂案に関する意見

神奈川県生活協同組合連合会
専務理事 小林 正明

今回の「消費者契約法施行規則の一部を改正する内閣府令案」では新たに「・・・事業者から労務の提供を受けている場合には、当該事業所の名称及び当該事業者からの労務の提供の総額を追加することとする」と加え、「適格消費者団体の認定、監督等に関するガイドラインの改訂案」の「2.適確消費者団体の認定(3)体制及び業務規程」の冒頭において「・・・適格消費者団体は過度に特定の事業者に依存することがないよう留意する必要がある」とし、具体的には「・・・例えば、事業者が事業活動のために用いている施設内に事務所が設けられているなど、その外観、構造その他の事務所の置かれた状況からして事業者と混同されるものであってはならないこととする」としています。

このように「内閣府令案」「ガイドライン改訂案」は適格消費者団体と事業者の関わりについて新たな規制を打ち出しています。「特定の事業者に依存することがないよう留意」すべきと改訂案が掲げる「特定の事業者」とは、全国の適格消費者団体の運営およびその設立に向けた取り組み状況から推察するに、生活協同組合を念頭においてのことと思われます。

確かに生協は事業を行う組織ですが、同時に消費者を組合員とする消費者団体であり、長年にわたり消費者市民社会の実現に向け、消費者被害の低減や消費者への啓発・教育等、消費者問題に積極的に取り組んできました。それは消費者の権利の確立をめざそうとする消費者組織としての生協の性格・成り立ちに基づくものであり、事業者としての利便につなげようとの意図とは全く無縁のものです。適格消費者団体の設立に向けても、増大する消費者被害に対し、全国の生協関係者が生協の社会的使命として積極的に関わってきたものです。この間の適格消費者団体の設立における生協の関わりで、特定の事業者団体として利するような具体的な問題があったとは認識していません。

適格消費者団体の運営や設立に関わる過程においては少なくない費用を要し、いずれも構成員の手弁当で活動しているのが実態です。こうした実情や生協のこれまでの果たしてきた役割に関わらず、今回「特定の事業者」と見なしてガイドラインの改訂を打ち出したことについて理解が出来ません。

本来であれば、被害防止という行政が担うべき役割を果たす公的活動を行っている適格消費者団体及び特定適格消費者団体に対して、このようにやむに已まれぬような運営が生ずることのないよう、設立や認定に向けた活動だけでなく継続的な財政支援がなされるべきです。

また、今回の「適格消費者団体の認定、監督等に関するガイドライン」改訂案は、特定商取引法にもとづく指示・業務停止命令、景品表示法に基づく措置命令及び食品表示法に基づく指示等、刑事罰にまで至っていない行為(無過失の場合も含む)について、適合命令において当該役員の解任を命ずることも想定しています。このような現行の法規制を強化する改訂も、先の生協を「特定の事業者」と見なして、その関わりを規制しようとする脈絡からの改訂と受け止められるものです。

すでに消費者契約法第13条第5項にて適格認定を受けられない事由が定められており、役員欠格事由はかなり悪質性の高いものに限定されています。この間の適格消費者団体の運営状況も鑑みれば、新たに法規制を強化するような改訂の必要性は見出せません。

 

以上の点から、今回の「消費者契約法施行規則の一部を改正する内閣府令案」および「適格消費者団体の認定、監督等に関するガイドラインの改訂案」については反対であり、改訂は不要です。検討すべきは適格消費者団体の実情を踏まえた財政的支援を図ることです。

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