HOME > ニュース > 過去のニュース一覧 文字サイズ 大きくする 普通

2018年10月3日

地方消費者行政の充実・強化のための意見

 (一社)全国消費者団体連絡会
                       地方消費者行政プロジェクト

地方自治体の消費者行政は、消費生活相談体制の整備は進展がみられるものの、消費者教育、法執行、見守りネットワーク、消費者団体支援など、重要な課題が未だ不十分です。消費者のくらしの安全・安心を確保するために、消費者にとって最も身近な地方消費者行政の充実と強化は必須ですが、国の地方支援策は後退の傾向が伺えます。

全国消費者団体連絡会・地方消費者行政プロジェクトでは、地方消費者行政の取り組みの現状を把握するために、本年47都道府県に向けて消費者行政調査を行いました。

今回の調査により、地方消費者行政を推進する上で重要な地方消費者行政推進交付金の縮小や、今年度あらたに導入された地方消費者行政強化交付金の活用の困難性をはじめ、地方消費者行政の現状と課題が明らかになりました。また、地方自治体の消費者行政部門の自主財源確保の難しさや、地方交付税の基準財政需要額について自治体の消費者行政担当者が把握できていない状況など、地方消費者行政の充実強化に向けて、さらなる手当てが必要な課題が浮かび上がりました。

今回の調査を踏まえ、以下の点について提言します。

私たちは、全国の消費者・消費者団体と連携して、国及び地方自治体に対し、地方消費者行政の充実・強化の働きかけを強めます。

 

1.国は地方消費者行政への恒久的な財政措置を講じてください

国は、これまで「地方消費者行政は自治事務」との考え方を前提に、期間限定で財政支援策を講じる姿勢を続けてきました。しかし、地方消費者行政の事務の中には、消費者相談を受け相談情報をPIO-NETに登録すること、国に対して重大事故情報を通知すること、特定商取引法や景品表示法等に基づく行政処分を実施することなど、国と地方に共通の利害を有する事務が含まれています。

そこで、「地方消費者行政は地方自治」の考え方自体を一部見直し、地方財政法第10条(「国が、その経費の全部又は一部を負担する」とされている事務)に地方消費者行政を盛り込むなど、国が地方消費者行政に対し恒久的な財政措置を行える仕組みを講じてください。

 

2.地方消費者行政交付金は自治体の活用しやすさを考慮した制度設計をしてください

地方消費者行政への交付金についても、地方自治体の自主的な取組を支援する財政措置の継続が不可欠です。2018年度の地方消費者行政強化交付金は、メニューが自治体のニーズに合っていない、補助率が1/2、といった活用しにくい課題があります。今後は地方消費者行政担当者の意見を聞き、より使い勝手のよい交付金制度とすることが必要です。

 

3.地方消費者行政の自主財源確保のため、国は地方消費者行政にかかる自治体ごとの基準財政需要額を周知・公表してください

地方交付税の基準財政需要額について、自治体の消費者行政担当者自身が把握できていない状況が明らかになりました。国は地方消費者行政にかかる自治体ごとの基準財政需要額を周知・公表し、自治体が消費者行政の自主財源を確保しやすくするべきです。

 

4.消費者庁は地方消費者行政の充実強化のために、働きかけを強化してください

消費者庁の地方消費者行政強化作戦で目標としている項目において、未達成なものが多くあります。特に消費者安全確保地域協議会(「見守りネットワーク」)の設置は身近な地域での消費者被害の防止に大きな効果が期待できるものと考えます。また、地方消費者行政が取り組むべき施策が大幅に増大している中、担当職員数が横ばいまたは減少している状況に対して、国は増員に向けた具体的な対策を講じる必要があります。また、地方公務員法・地方自治法の一部改正により会計年度任用職員制度が設けられることになりましたが、消費生活相談員の地位と待遇については、その求められる専門性に対して高い評価がされること、結果としてより質の高い相談体制が確保されることが消費者のために必要です。自主財源の増額や消費者安全確保地域協議会の設置など、首長の考え方次第で地方消費者行政の充実・強化が進む状況も見られます。強化作戦の達成を目指し、消費者庁は地方自治体への働きかけを強化してください。

前のページにもどる このページトップへ
サイトマップ 神奈川県生協連トップページへ