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2018年10月23日

原発被災者を追い詰めるな。国と福島県に住宅提供と支援の継続を求める

 神奈川県消費者団体連絡会
 事務局長 丸山 善弘

2012年6月に国会で成立した[原発事故子ども被災者支援法] は、居住、避難、帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう適切に支援すると定め、避難先での住宅の確保は国の責任であるとしています。しかし、長期的対応が必要であることは最初から見通せた大規模原子力災害であるにもかかわらず、災害救助法のみで対応したために、その矛盾が避難者に様々な困難となって現れています。「原子力緊急事態宣言」は出されたままであり、原発事故は終わっていないのです。

 

住宅は暮らしの基本です。

国と福島県は2017年3月末で12,539世帯・32,312人の区域外避難者の住宅無償提供を打ち切ってしまいました。そして福島県は、2019年3月末には2,000世帯への民間賃貸住宅家賃補助、国家公務員住宅の提供を打ち切るとしています。

更には内堀雅雄福島県知事は住民の意見を十分に聞くことなく、「富岡町、浪江町、葛尾村、飯舘村の帰還困難区域の応急仮設住宅の無償提供を2020年3月末で終了すると8月27日に発表しました。そして南相馬市、川俣町、葛尾村、飯舘村の避難指示解除区域についても特定延長はあるものの予定通り2019年3月末で終了するとしています。

しかし、昨年避難指示が解除された区域の平均居住率は未だ20%以下で、殆どは避難先に居住を続けている状況です。

 

避難者の実態調査は、2016年10月以降は実施されていないと聞いています。調査や当事者の意見を聴取する事なく、まず支援終了宣言をおこない、期限を決めて自立を迫るやり方は当事者を追い詰めています。山形県が今年7月に行った実態調査によれば、困窮・不安の第1位は「生活資金」で全体の64%を占め、身体の健康が49%、住まいが40.5%と続いています。

2017年3月末で住宅提供を打ち切られた避難者への東京都の実態調査では、月収入10万円以下が22%、20万円以下の避難者世帯数が過半数でした。新潟県精神保健福祉協会の同県避難者への調査では、通常は5%程度の人が抱える重度ストレスが24.8%となっています。

この当事者が置かれている状況にまなざしを向けて政策立案をするべきです。

10月11日にかながわ県民活動サポートセンターで行われた「避難者の声を聴く会in神奈川」で、福島県から神奈川に避難している当事者12名が参加して開催されました。そこには福島県から生活拠点課、避難者支援課、神奈川県から防災課、衆議院議員2名、県議会からは桐生ひであき県議会議長(自民党)、他が出席されました。神奈川県では、避難者の声を直接聞き、県知事にも働きかけ、県議会全会一致で区域外避難者への民賃補助1万円(計3万円)を決定した経緯があります。

桐生県議会議長は、「弱いものの為に政治はある」と言われ、福島県に問い掛けられました。「福島県が民賃補助を継続しなければ神奈川県として上乗せ補助を継続できない。被災県の福島県を飛び越えて避難先が支援継続する事はできない。」と。

福島県は黙ったままでした。

 

私たちは、「原発避難者の住宅と人権保障を求める共同行動」が福島県と国に求めている以下の要請内容を支持し、同じく要請するものです。

 

【緊急要求項目】

  1. 区域外をはじめとする全ての避難者の生活実態調査と包括的な支援策の実施
  2. 浪江町、富岡町、飯舘村、葛尾村の帰還困難区域の応急仮設住宅の無償提供継続
  3. 南相馬市、浪江町、川俣町、葛尾村、飯舘村の避難指示解除区域の応急仮設住宅の無償提供継続
  4. 避難指示区域外避難者に対する応急仮設住宅打ち切り撤回と無償提供の継続・再開 及び福島県内外の新規避難希望者に対する避難用住宅の無償提供実施
  5. 国家公務員住宅等に居住する区域外避難者の、公営住宅への入居確保、および安定した住まいが確保されるまでの入居継続
  6. 区域外避難者2,000世帯への民間賃貸住宅家賃補助の継続
  7. 避難者に対する立ち退き訴訟や調停の国・福島県の責任による解決
  8. 「子ども被災者支援法」に基づく支援対象避難者の公営住宅入居の優先・特例措置の継続及び同法の支援対象地域の維持
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