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2019年1月12日

意見「建設石綿被害者補償基金制度」の創設を
〜命あるうちの解決を求めます〜

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

建設アスベスト訴訟は、建設現場の建材に含まれた石綿(アスベスト)によって、石綿肺や肺がん、中皮腫にかかった元建設労働者やその遺族によって、国や建材メーカー41社を相手に損害賠償などを求めて、2008年以降行われてきました。

裁判では、これまで2012年12月5日の東京地裁判決以降、地裁で6回、高裁で4回も連続して国が断罪されています。提訴から10年以上が経過し、多くの被害者が命を落とし、病も進行しています。国は裁判を長引かせるのではなく、被害者、遺族に謝罪し、補償に1日も早く足を踏み出すべきです。

 

アスベストは、耐熱性、断熱性、耐火性、防音性などに優れ、加工しやすく、安価で「奇跡の鉱物」とされ、多くの産業分野で使用されていました。一方、髪の毛の5,000分の1という超微細な繊維が人間の肺組織に刺さり、治療が困難な深刻な病気を引き起こしています。日本で使われたアスベストの約8割は建材です。

アスベストの危険性は、世界では1950年代に肺がん、60年代には中皮腫との関連性が明らかになっており、欧州諸国は80年代から使用を禁止しています。

日本でも50年代から医学的知見は確立しており、国も建材メーカーも危険性を十分認識できる状況にありました。

しかし日本は世界とは逆に、60年代の高度経済成長期に輸入を伸ばし、90年代まで大量のアスベスト含有建材を使い、世界で一番のアスベスト使用国となっていました。国は、建築基準法などでアスベスト建材を指定し普及をはかりました。建材メーカーのなかには、海外には「ノンアスベスト製品」を輸出し、国内ではアスベスト建材を販売する企業さえありました。

 

日本で禁止されたのは2004年です。「誰がアスベスト被害を拡大させたのか」は明白ではないでしょうか。

全国の建設アスベスト訴訟の本人原告のうち、半数以上が既に亡くなりました。「命あるうちに解決を」「裁判によらず補償を」。被害者や遺族にとって「建設石綿被害者補償基金制度」の創設は切実な願いです。「建設作業員が被った損害を補てんするための何らかの制度を創設する必要がある」、建材メーカーが製造販売したアスベスト含有建材が、肺がんや中皮腫などを引き起こした「事実を否定することは困難である」と司法からの指摘を受け止め、生かすのは政治の責任です。

命あるうちの解決を。「建設石綿被害者補償基金制度」のT日も早い創設を求めます。

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