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2019年1月25日

「長崎アピール2018」を被爆地長崎から核兵器廃絶の願いを世界に発信

第6回核兵器廃絶地球市民集会ナガサキは、2018年 11月16日(金)から11月18日(日)まで開催され、「長崎アピール2018」を被爆地長崎から核兵器廃絶の願いを世界に発信しました。

 

主催:核兵器廃絶地球市民集会ナガサキ実行委員会

長崎県

長崎市

 (公財)長崎平和推進協会

後援:朝日新聞社・共同通信社長崎支局・時事通信社長崎支局・長崎新聞社・西日本新聞社・日本経済新聞長崎支局・朝日新聞社・読売新聞西部本社・KTNテレビ長崎・NBC長崎放送・NCC長崎文化放送・NHK長崎放送局・NIB長崎国際テレビ・エフエム長崎・長崎ケーブルメディア

 

長崎アピール2018

 

「午前零時まで 2 分前」−2018 年 1 月 25 日、米科学雑誌「ブレティン・オブ・アトミック・サイエン ティスト」が発表した「終末時計」は、世界に衝撃を与えた。人類滅亡までの時間を示すその時計の針を30 秒縮めたのである。その結果、1947 年に同雑誌が発表を始めて以来、最も「終末」に近い 時間となったのである。さらに、現在の状況は悪化の傾向にある。第一に、米国は核兵器の役割を増大させ、より「使いやすい」核兵器の開発と配備を明確にした「核態勢の見直し」を発表、第二に 、 米国はイランとの核合意「共同包括実施計画 をもはや履行しないことを言明、第三に、歴史的意義のあるロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約を廃棄する意図を公表した。

 

世界の核弾頭数削減のペースは最近落ちてきている。現在推定で 14,450 発程度が存在しており、そのほとんどは米・ロシアの所有である。そして、それぞれの弾頭は広島や長崎を破壊した原爆のけた違いの破壊力を有しているのである。米国の「核態勢の見直し」に対抗して、ロシアも新型で「防衛不可能」な核兵器の開発計画を公表した。さらに中国、フランス、インド、イスラエル、パキスタン、英国が「核兵器近代化計画」に取り組み、当分の間核戦力を維持しようとしている。核兵器に 利用できる核物質(高濃縮ウランと分離プルトニウム)の在庫量も、核弾頭に換算して10万発以上に上っており、さらに増加している。全核保有国が戦争を想定し、そのため軍事対立が破局的結末につながる可能性が消えていない。いわゆる5大核保有国は 1970 年成立の核不拡散条約(NPT)の義務遂行を無視し、条約違反を続けている。その義務とは、核軍拡競争を終了させ、核兵器廃絶に向けて、早期に「誠実に」交渉を進めることであった。

 

一方で、2017 年 7 月の核兵器禁止条約(TPNW)の歴史的な成立とそれに続く核兵器廃絶国際 キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞は、私たちに希望と力を与えてくれた。現在までに 69か国が署名し、19か国が批准した。TPNWは確かに核保有国・「核の傘」国と非保有国との間の溝を広げたかもしれない。しかし、世界の過半数の国が TPNW を支持し、さらに TPNW は核兵器が「絶対悪」であり、国際人道法とは共存しないものであるという「規範」を強化したのである。

 

さらに、北東アジアでは有望な状況が生まれつつある。南北朝鮮の首脳会談は「朝鮮半島の非核 化」への希望を広げ、シンガポールで開催された歴史的米朝首脳会談は、朝鮮戦争が終結し、両国間の敵対的関係がついに終了するという希望を与えてくれた。まさに今こそ、日本を含む「北東アジア非核兵器地帯」の設立にむけて前進し、北東アジアに持続可能な平和と安全を実現する絶 好の機会ということができる。

 

被爆者証言と運動は、核時代が始まって以来、核兵器廃絶運動の力強い原動力として働いてきた。 しかし、私たちは、被爆者の方々が自らその体験を語れる時間がだんだん少なくなっている現実をしっかりと受け止めなければならない。被爆者の方々の耐え難い体験を、次の時代に伝えていく革新的な方法を生み出していくことが不可欠である。その方法としては、写真、音楽、映画、アニメな どの方法が含まれるだろう。その中でも特に、若い世代が核軍縮により積極的に取り組み、自らの 力で平和教育や運動を始めていることは、本当に勇気づけられる。

 

日本のいわゆる「核のジレンマ」(「核兵器廃絶の目標」と「核の傘依存」)はますます深まりつつある。日本政府は、核保有国・「核の傘」国と非核保有国の「橋渡し役」を果たすために「核軍縮の実質 的な進展のための賢人会議」を設置した。賢人会議の設置は建設的な一歩ではあるが、日本政府 はいまだにそのための効果的な提言を出していない。それどころか、日本政府は TPNW に反対 の立場をとっているため、核軍縮・不拡散政策で方向性を見失っているかのようだ。その結果、核 兵器廃絶を促進する主要な担い手としての地位と信用を失いつつある。そのうえ、莫大な量のプ ルトニウム在庫量を抱えているため、日本の核政策に対する疑心が生まれてきているのだ。

 

以上のような認識に基づき、第6回核兵器廃絶地球市民集会ナガサキの参加者は、以下のような 具体的行動をとるよう要請する。

 

  1. 世界のすべての国が核兵器禁止条約(TPNW)を早期に批准し、NPT の第6 条(核軍縮義務)の誠実な実行、とくに核兵器国による実行、を要請する。中でも、米国とロシアは、INF 全廃条約を維持し、2021 年に失効する新戦略兵器削減条約に続く新たな核兵器削減のための真摯な対話と軍縮交渉を始めることを強く要請する。新たな軍縮交渉は、戦略核兵器のみ ならず、弾道ミサイル防衛システム、超高音速ミサイル、そして宇宙の軍事化のような「戦略的 安定性」に係る全ての側面を対象とすべきだ。また、まだ署名・批准していない国に対し包括 的核実験禁止条約に署名・批准し、すべての国に対し核兵器転用可能な核物質生産を民生 用を含め中止するよう要請する。
  2. 核兵器を使用するという威嚇(「核抑止力」)に依存するすべての国に対し、核兵器の役割を 低減・廃棄し、「地球市民の安全保障」に基づく安全保障政策に転換することを要請する。
  3. 最近の南北対話、米朝対話の進展を、私たちは心より歓迎する。そして、これらの国々が対話の中で約束したことを忠実に履行することを要請する。その観点から、北東アジアの継続的な 平和と安全を確立するために、朝鮮戦争の終結に向けて努力を加速することを要請する。朝鮮半島の非核化合意に基づき、地域内のすべての国が、実効性のある検証措置を備えた北東アジア非核兵器地帯の設立に向けて交渉を始めることを要請する。地域紛争が続いている国々においては、世界平和の構築に向けて、朝鮮半島で進行中の対話と信頼醸成に倣うこと を要請する。
  4. 被爆者の人口が減少する中、今回提案された「ユース・ネットワーク・フォー・ピース(YNP)」のような若い世代のイニシャティブに勇気づけられた。すべての世代に対し、相互に協力し、「ヒバクシャ国際署名」などの運動を通じて、被爆者の悲劇的な経験を積極的に記憶し次の世代 に継承していくことを要請する。
  5. 唯一の戦争被爆国として、日本政府は北東アジアにおける安全保障環境の改善を有効に活用し、核兵器への依存を終了させ、TPNW の署名と北東アジア非核兵器地帯を促進する努 力を真摯に行うことで国内外の信頼を取り戻すよう要請する。

 

私たちは、核兵器のない世界を実現するために最大の努力を続けていくことを約束し、世界の人々と政府にアピールします。「長崎を最後の被爆地に!」

 

2018年11月18日
第6回核兵器廃絶地球市民集会ナガサキ

 

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