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2019年2月3日

不正統計問題を糾す

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

「現在の国勢を詳明せざれば 政府すなわち施政の便を失う 過去施政の結果を鑑照せざれば 政府その政策の利弊を知るに由なし」とは、「統計院設置の件」の冒頭で大隈重信が述べた言葉です。総務省統計局のHPで紹介されています。

現在の政府統計は、戦後復興のためには政府統計の充実が肝要であると吉田茂に召し出された大内兵衛の努力により、「統計の整備は、日本債券の基礎事業中の基礎事業である」として再出発しました。その後、2009年4月1日には今日の改正統計法が施行されました。国の作成する統計が「国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤」を提供し、「国民経済の健全な発展及び国民生活の向上に寄与すること」と謳われています。

 

今回、厚生労働省の毎月勤労統計の不正が明るみに出ました。毎月勤労統計は基幹統計で、罰則も統計法で定められているものです。また、厚生労働省の第三者委員会の調査結果は、「とても第三者の調査とは言えない」やり方と内容であったこと、各府省庁で56ある基幹統計を点検したところ、23統計で「不適切な事案」が出てきたこと等も明らかになっています。

 

NNNと読売新聞が行った世論調査で、不正統計問題をめぐる厚生労働省の「組織的な隠ぺいはなかった」とする説明には、85%の人が「納得できない」とし、国の統計が不適切に処理されていた問題は、省庁の信頼性に「影響する」と答えた人も80%にのぼっています。

公的統計に対する国民の信頼は地に落ちたと言わざるを得ません。「極めて遺憾」と陳謝して済ます問題ではありません。

 

公的統計は社会のさまざまな場面で使われています。経済統計であれば市場に直接影響し、それが虚偽であった場合の影響は国際社会に及びます。現代社会の政策決定では統計の精度はより重要になっています。

国連においても「公的統計の基本原則」として公的統計を作成する際に遵守するべき国際的な基準が、日本も共同提案国となり2014年1月の国連総会で採択されています。

 

劣化の激しい中央官僚機構の問題を抉り出すことから始め、公的統計を再確立することを求めます。

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