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2019年3月14日

東日本大震災―東京電力福島第一原発事故から8年
被害と責任をあいまいにしてはならない

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 丸山 善弘

筆舌に尽くせぬあの東日本大震災および東京電力福島第一原発事故から8年を迎えました。犠牲となられたすべての方々のご冥福をお祈りするとともに、2,533人とされる行方不明の皆さまが一日も早くご家族のもとに戻ることができますよう心から願います。

全国で5万人を超える方がいまだ不自由な避難生活を強いられています。メディアによる報道がなくても、被災地と被災者の困難な状況が解決されてはいないことを私たちは忘れません。

 

1.期限を区切って終了できるものではありません

「幕引き」などという状況ではありません。岩手県と宮城両県での、災害公営住宅(復興住宅)での2018年の孤独死は、前年の47人から68人となり、仮設住宅での孤独死が最多だった13年(29人)の倍以上になったと地元紙で報道されました。復興住宅は被災地の住宅政策のゴールとされてきたものです。

震災被害は、決して期限を区切って終了済とできる問題ではないことを、これまでの阪神・淡路大震災など大災害の経験からももっと学ぶべきです。

多くの被災者のくらし再建がなお途上にある現実に向き合い、切れ目のない復興政策を着実に進めることを求めます。

 

2.原発事故被害者に対して

とりわけ、原発事故の被害者です。

広範囲にわたる放射能汚染により、自然の恵みとともにあった暮らしは失われ、地域はさまがわりしてしまいました。「生業」「生きがい」「かけがえのない時間」「つながり」「ふつうの生活」などの人が人として生きる基盤は、原発事故により根底から覆されてしまいました。

その一方で、「自立」の名のもとに、「帰還」一辺倒の政策が加速しています。被害や不安を口に出せない空気が、真綿のように首を絞めつけています。避難指示区域の内外や強制・自主避難を問わず、避難継続か帰還かはいずれの選択においても原発事故被害者の意思が最大限尊重されるべきです。議員立法により全会一致で成立した「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律(子ども・被災者支援法)」の理念を踏まえた対応こそなされなければなりません。

政府が発令した「原子力緊急事態宣言」は、現在でも解除されてはいないのです。原発事故はそれだけ深刻なのです。補償や公的支援を継続するのは当たり前です。

 

3.被ばくを前提とする原発

東京電力福島第一原発事故は、未だ収束の見通しが全く立っていません。どれだけの量の溶け落ちた核燃料(デブリ)がどんな状態で存在しているのかさえ把握できていません。原発は、事故がなくてもそこで働く労働者と周辺住民の被ばくを前提としています。まして、事故なのです。

今年、原発事故直後に福島県双葉町にいた11歳の少女の「100ミリシーベルト程度」の被ばく推計結果の存在が明らかとなりました。患者を支援しているNPO法人「3・11甲状腺がん子ども基金」の報告によれば、同基金は今年1月末までに、福島県内外で甲状腺がんを発症した患者111人に、診療明細や自己申告を基に療養費を給付してきましたが、原発事故当時6〜15歳の福島県内にいた84人のうち8人が再発や転移で再手術を受けたそうです。

事故対策に全力をあげるのは国と東電の当たり前の責任です。とりわけ事故後の住民の被ばくに関する全情報を公開し、実態把握と対策を早急に行うべきです。

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