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2019年5月28日

今、10月消費税増税が本当に必要なのか

神奈川県消費者団体連絡会
事務局長 小林 正明

 

「10月から消費税を10%に引き上げる」とあたかも決まり事かのように喧伝されています。菅官房長官は「最終的な判断は予算成立後」と言っていますが、今の日本経済を冷静に見た時に、消費税増税ができる環境にあるとはとても思えません。

 

昨年12月まで内閣官房参与を務めていた藤井聡・京都大学大学院教授は「消費税増税は凍結、消費税減税こそが最大の景気対策。法人税の引き上げこそ、最も検討すべき対策」として、「今、消費税を増税すると貧困と格差が拡大し、国の財政も悪化して必要な公共投資や社会保障費の確保も不可能になります。国民生活が先進国とは呼べない水準に下落することは間違いありません。消費税増税は、毎年の成長率を長期的に下落させます。成長率は極めて重要で、中国は7%ずつ成長していますので、10年ごとに所得が2倍に拡大しています。それに比べて日本は、成長率がジリ貧で経済が縮小しています。経済学的にいえば、消費税増税が一番ダメな理由は、成長率を長期的にかつ大幅に下落させてしまうことです。」と発言しています。

 

世論調査によれば、朝日新聞では、消費税引き上げで景気に悪影響が出る不安を尋ねると、「大いに」「ある程度」を合わせた「不安を感じる」は75%。共同通信では、10月に消費税率を10%へ引き上げることに反対は57.6%、賛成は37.6%です。

 

日本ではGDP(国内総生産)の6割が家計による消費です。家計消費が伸びなければ経済はトータルに伸びることはありません。日本経済の柱は家庭消費です。

日本経済は、97年の消費税5%への増税、08年のリーマンショック、11年の東日本大震災、そして14年の消費税8%への増税と、この30年間で4回のショックを受けています。 影響をつぶさに見た時に、リーマンショックや大震災より消費税増税の方が消費の下落は大きく、その影響は長く、元の状態に戻るのに時間が掛かっています。その中でも消費税8%への増税が最も大きな影響を与え、消費の下落は今も続き、デフレから脱却できていません。

事実を直視し、そこから判断をするべきではないでしょうか。

 

国税の税収割合の推移を見ると、消費税が高くなる一方で法人税や所得税は低下しています。日本経済がデフレになった根源的な原因は、直接税(法人税や所得税)と間接税(消費税)の比率(直間比率)が変わり、間接税の比率が高くなったから景気が冷え込んだのではないでしょうか。税金はお金持ちや利益があるところから取り、困窮している人からは取らない直接税は景気を冷やしません。困窮していようがいまいがむしり取るのが間接税です。消費税を上げれば上げるほど消費にはブレーキがかかり、デフレは進みます。

 

デフレ脱却の重要な柱は、法人税増税と消費税減税です。

日本は大企業が0.3%、中小企業が99.7%と、世の中の企業はほとんどが中小企業です。 とりわけ、従業員が5名以下の小規模企業は日本の全企業数の9割弱を、また雇用の1/4をそれぞれ占めています。そこへの経済政策こそが必要です。大企業が栄えれば経済が栄えるという訳ではまったくありません。

 

「消費税増税を凍結したら、社会保障の財源はどうするんだ」という議論が常にありますが、「社会保障費を捻出しようするならば、減税して税収を増やす」ことこそが一番の近道です。

 

どう考えても、この10月の消費税増税は必要ありません。

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