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神奈川県・県内市町村の消費者行政の現状と強化のために(提言)

2008年10月26日

神奈川県生活協同組合連合会

政策企画委員会

1.消費者行政強化のための提言策定の目的

2.消費者の状況

3.国、県・市町村消費者行政の現状

4.県・市町村消費者行政の到達点

5.神奈川県・市町村の消費者行政強化のための要望・提言

6.最後に・・・生協・組合員としての消費者問題・消費者行政のかかわり

1.消費者行政強化のための提言策定の目的

1国の消費者庁設立を始めとする消費者行政の一元化強化にあわせて、地方消費者行政の立て直し・充実は車の両輪です。神奈川県・県内市町村の消費者行政の現状分析を行い、県内消費者行政の強化に向けての政策方向(提言)をまとめます。

2会員生協、県消団連、消費者会議かながわなど各団体へも提案し、ご意見を伺いできるだけ共同した提言として完成し、県や市町村、議会等へ要望していきます。

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2.消費者の状況

1この間、リフォーム住宅被害、振り込め詐欺、IT技術を活用した悪質業者による消費者被害が相次ぎ、2004年度神奈川県では11万6千件の相談が寄せられた。2005〜07年度は7万件台と04年ピーク時よりは減ったものの「高止まり」しています。

22006年の神奈川県生協連が組合員対象に実施した「消費者被害アンケート」(回収1,815枚)は、「被害にあった」人は164名(9.0%)。被害金額は100万円を超える人が24名、中には500万円が4名、1,000万円以上が3名と驚くべき結果となっています。被害にあった商品ではふとん、浄水器、学習教材、健康食品の順位。サービスでは住宅リフォーム、IT関連サービス、クリーニング、金融関係、エスティティックとなり、販売方法では訪問販売、電話勧誘、通信販売となっています。

3会員生協では、県消費生活課と連携し、生協機関紙に、「消費者被害にあわないための消費生活シリーズ」の定期掲載や被害にあった場合の消費生活センターの一覧表紹介など消費者啓発・宣伝など取り組んでいます。また、コープかながわでは2年前に「消費者被害をなくそう会」を結成し、被害未然防止の学習会や講師養成など積極的にとりくみ、これらの活動を県生協連の場にも紹介し交流を深めています。

4消費者被害問題は、行政として、消費者への事前の啓発教育と相談窓口の抜本強化にむけて特段の努力が要請されています。

同時に、生協や消費者団体が自らの課題として消費者啓発・学習教育活動を積極的につよめ、「消費者力」向上の取組みを一層強化することが求められています。

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3.国、県・市町村消費者行政の現状

(1) 国の動き

12003年「21世紀の消費者政策のあり方」(国民生活審議会答申)→2004年「消費者基本法」の成立→2006年「消費者団体訴訟制度」制定

22004年架空請求がピークに達し、多重債務者問題も社会問題化した。

くわえて、2007年食品表示の偽装、2008年になり中国製冷凍餃子事件等発生し、事業者への不信が高まり、国や行政としての責任も大きく問われています。

3地方自治体への消費生活行政関連の国庫交付金廃止

この間、政府は2000年〜04年にかけて、商品テスト器購入費補助の廃止、景品表示法執行人件費交付金廃止物価調査、物価啓発補助金廃止など消費者行政関連の交付金をカットし、各都道府県の消費者行政予算縮小に拍車をかけました。

42008年 消費者行政一元化=消費者庁新設の動き急ピッチ

消費者行政後退の中で、昨年誕生した福田内閣総理大臣は、明治以来の産業育成の範囲内の消費者保護から、消費者・生活者に軸足をおいた消費者行政の抜本改革を表明し、6月27日、政府は「消費者行政推進基本計画について〜消費者・生活者の視点に立つ行政への転換〜」を閣議決定しました。「強力な権限をもった消費者庁の新設」と「地方消費者行政の建て直し」を主眼としており、消費者団体としては多いに歓迎し、この内容の実現を強く望みます。

これまでの「産業振興優先から消費者・生活者重視の政治」へのパラダイム大転換を実際に実現できるかどうか、日本の消費者行政・消費者運動史上、歴史的な大転換点にさしかかっています。

(2) 県内33市町村の消費者行政の現状

(「神奈川県の消費者行政を考えるシンポジウム実行委員会」では、2000年から毎年、県内33市町村(当初は37自治体)の消費生活行政窓口担当者へアンケートを実施してきました。2007年度の設問と回答結果が以下の内容です。)

1相談対体制について

  • 全日開設2市、週5日17市町・・・・・・・小計19市町
  • 週4日開設8市町、週3日2市、週2日2町、週1日2市町・・小計14市町
  • 他市への委託・・・・・・・・・・・・・9自治体
    週4日以下14市町、他市委託9・・・・不十分
  • 相談員配置は、電話1回線につき一人配置もあり、不十分である複数配置必要。
  • 相談員研修は、4割の方が参加していない。

2担当職員配置について

  • 専任は3自治体のみ、兼任は20自治体もあり、消費者行政に専念できない

3啓発事業について

  • 高齢者向け啓発事業は6割の自治体で実施。若者向け・企業内新卒者・消費者リーダー養成講座等多くの自治体でやられていない。

4神奈川県への要望について

  • 統一的な相談処理、分野別に対応できる専門スタッフ配置、業界改善の提案、相談窓口の増設など、高度の専門性・広域への配慮・苦情処理のあっせん、そのための人材の確保及び質量の向上を求める要望がつよい。

5事業者指導について

  • 県の事業者指導(特商法・景表法)について迅速な指導を期待する意見が多い。

6消費者行政の重要な課題について

  • 国の法令整備、啓発事業、県の財政支援、県の広域的専門的支援、県消費生活センター再配置、市町村における人員・予算確保、市町村における人材育成

7市町村の消費者団体への支援について

  • 情報提供11自治体、研修・集会の場の提供9、交付金・助成金の援助7、講師派遣5、講演会・学習会3、視察研修3など。情報提供、研修、講師派遣、講演会などは全自治体で実施してしかるべき。

8消費者行政予算について

  • 2000年71,036万円から2007年度47,260万円と67%に激減。内訳は消費生活相談70%、学習啓発52%、団体支援12%になっており、苦しい財政事情が伺える。

*市町村によっては、「予算が少ない、独自の相談体制できないので他市に委託、職員も町民課等の兼任で身動きできない、相談業務や消費者啓発事業をやりたくてもやりきれない」。 県に対し、「廃止した県消費生活センターを復活してほしい、高度の専門性や広域への配慮、事業者指導の強化など強い要望を」もっていますが、県も十分応えきれていない。

(3) 神奈川県消費者行政の歴史と現状

1 神奈川県消費者行政の歴史

  • 1978年 横浜消費生活センターを開設し、以後7つの消費生活センターを設立し、苦情処理や啓発事業を推進してきました。
  • 1980年には県消費生活条例を制定し、消費生活審議会、消費者被害救済委員会を設置しました。
  • 地方分権の流れ等を踏まえて、1997年から県消費生活センター8つを順次廃止し、2003年4月かながわ中央消費生活センターに統合しました。それまで8つの県消費生活センターが果たしてきた消費生活相談業務は「地方分権」の名のもとに市町村に委ねました。県は市町村消費生活相談窓口整備にむけて支援を行い、市町村相談窓口は、ほぼ現在の開設形態となりました。いわゆる「神奈川方式」です。
  • 2004年消費者基本法の成立に伴い、いち早く神奈川県消費生活条例を改正し、併せて中長期的な視点に立った「消費者施策推指針」を2006年に策定し、実践しています。

2 神奈川県消費者行政の主な施策

a.消費生活相談

・相談件数                  (件)

 

2003年

2004年

2005年

2006年

2007年

9,762

12,354

9,453

9,182

8,547

市町村

72,994

103,868

65,637

61,385

62,679

合計

82,756

116,222

75,090

70,567

71,226

県中央消費生活センターについて

  • 2005年から土曜・日曜日相談開始(NPO法人活用)
  • 相談窓口 電話回線4に対し、相談員4〜6名配置(複数配置になっていない)
  • センターに電話をしてもなかなかつながらない。
  • 相談支援と表現している(直接相談と表現していない)
  • あっせん率 9.5%は全国平均4〜5%と比べて高い。相談員の頑張り。

b.市町村相談事業への支援

  • 市町村相談体制は前述の(2)のとおりであるが、困難をかかえている自治体がある。

*県からの相談体制整備への市町村への助成金は5年間で打ち切られた。

c.市町村相談窓口支援

地域担当制度、情報提供、連絡調整・情報交換、特別相談会、人材育成、消費生活相談体制整備への助成、

*市町村から専門性を高めてほしいという要望が強い。

d.弁護士会、県警本部、業界団体など関係団体との連携

e.事業者指導(特定商取引法、景品表示法)

96〜08年 東京都116件、静岡県36、北海道23、埼玉・神奈川県18で頑張っているが、全国第2位の人口大県としては不十分。法執行職員が少ない

f.消費者被害救済委員会

*これまでのあっせん件数、決定的に少ない。予算がない。

g.知事への申出

h.消費者教育・啓発事業

・学校における消費者教育の推進     ・消費者への情報提供

・悪質商法被害未然防止のための啓発活動 ・消費者啓発活動の実施

・消費者活動(消費者力)の支援     ・金融広報活動に推進

i.被害未然防止の連携

j.県の消費者行政予

11996年26,003万が、8つの消費生活センターの廃止に伴い2007年度5,200万と20%に激減。内訳も、啓発被害未然防止事業8%、情報収集提供事業37%、苦情処理相談事業42%、消費生活センター運営費3%と消費者と身近な事業予算が激減しています。

2一般会計に占める消費者行政予算割合は0.003%で、全国平均0.01%の3分に1にしか達していない。

3県の予算が減っている分、市町村が増えているか?

県が消費生活センターの運営移管を行い予算が大幅激減したが、33市町村合計の消費者行政予算をみても、00〜07年度63%と減少している。県、市町村合計では63%も激減しており、事態は深刻である。

全国消費者の間では「神奈川県のようにはならないように」が合言葉になっており、全国では各県が神奈川方式を採用しないように警戒を強めている。

*以上のように、県は限られた予算で涙ぐましい努力をおこない、施策をいろいろ展開していますが、肝心な市町村消費者行政の停滞は深刻になっています。県があれこれやっているというだけではなく、消費者に一番身近な消費者啓発事業や相談窓口強化など、市町村消費者行政施策の強力な支援が求められています。 

県内33市町村、神奈川県の消費者行政予算の推移(単位:千万円)

 

消費
相談

学習・
啓発

団体
支援

その他

33市町村

総合計

2000年度

476,566

49,406

31,050

153,354

710,376

120,760

831,136

2001年度

507,977

48,912

30,335

152,040

739,264

127,780

867,044

2002年度

363,449

38,563

30,378

258,293

690,683

110,770

801,453

2003年度

367,955

38,201

4,599

289,721

700,476

110,430

810,906

2004年度

373,596

34,119

3,122

295,019

705,856

91,530

797,386

2005年度

334,343

30,657

2,049

268,731

635,780

57,310

693,090

2006年度

339,485

25,678

5,708

264,248

635,119

55,200

690,319

2007年度

331,998

25,769

3,742

111,118

472,627

51,990

524,617

07年度/00年度

69.7%

52.2%

12.1%

72.5%

66.5%

43.1%

63.1%

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4.県・市町村消費者行政の到達点

神奈川県は、全国に先駆けて「地方分権」推進の名のもとに、1997年から順次、8つの県消費生活センターを廃止し、市町村に相談業務を移してきました。いわゆる「神奈川方式」といわれています。その際に、市町村の相談窓口開設のための財源支援を行ってきましたが5年間で廃止しました。

<その結果>

1 県は、相談窓口が平成9年(1997年)から平成19年度は、1.7倍に増えたといっていますが、相談件数も丁度1.7倍増えています。全国的にはこの間、相談件数は2.5倍ふえており、むしろ窓口開設は足りないのではないかと推測されます。

2 県全体の相談あっせん率は9.5%で全国平均4〜5%と比較すればトップクラスです。また、特商法等にもとづく事業者指導も全国第4位で頑張っています。限られた予算や体制の中で、この分野での職員・相談員の頑張りは評価できるものです。

3 横浜市・川崎市などの政令都市、横須賀市・相模原市・藤沢市などの中核都市などは、それなりの相談体制など確保できていますが、他の市町村は以厳しい状況で、行政間の格差が生じています。

<他方で、問題点として >

1相談窓口体制がまだまだ不十分なこと

政令・中核都市以外の市町村では、相談窓口は毎日開設できない、相談員の配置も一人しかできない、あるいは相談業務をそっくり近隣の市に委託せざるをえないなど自治体によってバラつきがあり、消費者に不便を与えています。

2消費者教育・啓発事業が後退

市町村は、限られた予算の中から、相談業務に重点をおかざるをえないので、消費者被害の未然防止を目的とする「消費者教育・啓発事業」予算が削減せざるを得ない状況です。又、消費者団体への支援や連携が以前より弱まっています。 

3周辺市町村・消費者団体との連携不足

8つの県消費生活センターが存在したときは、苦情相談を含め啓発事業など県と周辺自治体が共同して進めました。消費者展など消費者団体の集まる場など地域の拠点的役割を果たした。 しかし、県消費生活センターが撤退し、消費生活相談を市町村の事業としたことにより、市町村間の連携や消費者団体との共同した取組みが後退している。 又、市町村によっては、消費者行政が十分位置づけられていないところもあります。

4かながわ中央消費生活センターの役割は不十分

県立として唯一統合化されたかながわ中央消費生活センターとしての機能は、きわめて不十分です。(直接相談をしていない、相談体制の不十分さから電話が繋がらない、専門性・センサー機能の不十分さ、消費者のたまり場がないなど)。あわせて、市町村の期待する専門性の構築、センサー機能も不十分です。 

* 「消費者行政を一元化する新組織の創設は・・・明治以来の日本の政府機能の見直しを目指すものである」「霞ヶ関に立派な新組織ができるだけでは何の意味もなく、地域の現場で消費者、国民本位の行政が行われることにつながる制度設計をしていく必要がある。」「国民目線の消費者行政の強化は、地方自治そのものである。」と、6/27消費者行政推進基本計画が謳っているように、県・市町村の地方消費者行政の立て直し・拡充が極めて大切です。

地方消費者行政の強化を実現するためには、財源確保が必要です。消費者庁構想での国からの交付金活用など絶好の機会でもあります。

さらに消費者行政に関しての国、県、市町村の責任と役割を明確にし、協同し、今こそ、住民に最も身近な県市町村消費者行政の立て直し・拡充に真剣に取り組んでいくことが求められています。

<その際に、検討すべき主要な課題は以下の点があげられます。>

1 国から、消費生活センターの運営などに地方消費者行政強化にむけた財政的支援を強めること。

2 県は、県・市町村トータルにみて消費者行政強化のために、「消費者行政の拡充強化検討委員会」(仮称)を設置し、そのあり方を検討すること。

3 県は、国の消費者庁構想に対応した県の消費者行政の一元化・強化を図るために消費者生活課を消費生活部に格上げをするなど担当部局の強化を図ること。

4 かながわ中央消費生活センターの機能の思い切った強化を行うこと。

5国の交付金とは別に、県・市町村においても、必要な予算・体制の確保をすること。  以上から、以下の要望・提言をします。 

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5.神奈川県・市町村の消費者行政強化のための要望・提言

◇ 国に対する要望・提言 

(1) 一元的な相談窓口の設置強化

下記の機能と体制を備える消費生活センターをすべての自治体に設置する。

  • 消費者問題の専門的知見を有する消費生活相談員を複数配置。
  • 1週間のうち、5日以上常設開設すること。
  • 商品テストを自ら又は委託して実施できる体制と職員を配置する。
  • 被害情報の集約、消費者教育・啓発、関係行政機関・消費者団体との連絡調整を担う専任職員を配置。PIO−NET(パイオネット)の強化、一元的な相談窓口の抜本改革

(2)消費生活相談窓口のあっせん処理機能の強化

1 相談員・職員の配置基準を人口割合に応じて法制化し、少なくとも現状の2倍以上とする。

2 苦情相談を専門的知見に基づき迅速かつ適切にあっせん処理できる機能を強化すること。

  • 相談員の地位および待遇の法制化
  • 国及び都道府県における研修制度を大幅に拡充
  • 地方都市における有資格者の確保のための養成講座等の充実
  • あっせん処理に必要な情報の提供を受ける権限等を法整備
  • 基本的な商品テスト設備の整備、商品テスト関係の専門職員を配置、高度な分野の商品は他のテスト機関に委託できる体制を整備
  • 解決困難な苦情・紛争は、苦情処理委員会を積極的に活用

(3)以上の一元的な相談窓口の設置と相談機能の強化は、国の要請に基づくものであり、必要な法律の新設などの法整備や相当の財源確保を行うこと。

<県議会や市町村議会への国会に対する請願用>

(1) 消費者の苦情相談が地方自治体の消費生活相談窓口で適切に助言及びあっせん等により解決されるよう、消費生活センターの設置、業務、及び機能等を法的に位置づけるとともに、消費者被害情報の集約体制を強化し、国と地方のネットワークを構築することなど、必要な法制度の整備をすること。

(2) 地方消費行政の体制、人員、及び予算を抜本的に拡充強化するための財政措置を講ずること。

◇ 神奈川県に対する要望・提言

(1) 国の消費者庁創設の動きに機敏に対応して、神奈川県において県ならびに県内市町村の消費者行政を立て直し・拡充強化をはかる。

1 県知事・県議会が消費者行政重視への政策転換を宣言する。

2 県民部消費生活課を「消費生活部(局)」に格上げし、情報・表示等の一元管理、強力な総合調整権限、勧告権をもち、企画立案機能、調査・分析機能を強化してください。消費者の目線に立ち、各部局の縦割りを超えて、消費者行政の横断的・一元化の司令塔の役割を果たしてください。

3 そのために、市町村、消費者団体、消費生活相談員、学識経験者が参加する「消費者行政の拡充強化検討委員会」(仮称)を設置し、広く県民意見を募集しながら、検討をすすめてください。

4 当面、神奈川県第15期消費生活審議会で、「国の消費者庁構想等に対応して、県・市町村の消費者行政のあり方」を諮問するようにしてください。    

(2) 消費生活担当部局の強化について

1 悪質商法や欠陥商品、食品偽装表示など、事業者に対するあっせん・指導・規制を強めるため、担当部署・人員の拡充をはかってください。

また、指導後の改善状況の見届けや市町村への周知をはかってください。

2 県・市町村の職員・相談員の育成と専門性を高めるため、国民生活センターなどの外部研修を含め、県費(公費)による研修体制の充実を図ってください。

3 相談員の職務の専門性・多様性・即応性に応じ、また、実際の県民被害の救済に果たしている多大な社会的役割の評価に立って、給与その他待遇を抜本的に改善してください。

4 消費生活行政において、消費者啓発は苦情処理とともに車の両輪とも言うべき役割を持っています。相談情報を収集・分析し、それを県民にフィードバックする啓発事業は、結果として消費者被害未然防止に重要な役割を果たします。特に悪質化・複雑化・高額化傾向にある最近の深刻な消費者被害の増加により、啓発事業の必要性は非常に高まっております。学校・企業・地域など各年齢層を対象に積極的な啓発事業の充実・強化を図ってください。

(3)県の消費生活センターの強化について

1 中央消費生活センター(横浜)のみならず、県央・県西に拠点となる県立のセンターを設置し、市町村への支援と連携を強化してください。

また、中央消費生活センターは、県の消費生活担当部局と同一場所に設置し総合調整・企画立案・分析機能等をより強化してください。

2 消費生活相談を「相談支援業務」ではなく、「直接相談+支援相談」業務として位置づけを改めて、県として直接相談を行っていることを鮮明にしてください。

3 県としての苦情相談処理の役割であるセンサー機能、インフラ機能を強化してください。そのためにかながわ中央消費生活センターの職員及び相談員の人員を増員し、相談窓口を増やしてください。

4 相談内容に応じた専門別の配置と能力形成に努めること。各分野(例えばエステ、塾、建築、金融、運輸等々)別に調査研究、情報分析・提供を行なえる職員と相談員による専門スタッフ制を確立してください。

5 県自ら又は他機関との連携による商品テスト機能を拡充・強化してください。

6 中央消費生活センターがある6階フロアーに展示・資料コーナーや研修室を整備し、消費者、消費者団体に開放し場の提供をしてください。

7 消費者基本法(第2条、17条)にはさまざまな場を通じて啓発活動、消費者教育の推進が述べられています。県民や消費者団体が消費生活に関して集い、自ら学びあい、必要な時に消費者問題の専門家から適切な助言を得られる場を検討して下さい。消費者教育の推進に力を入れて下さい。

(4)市町村の消費者行政強化について

1 市町村の消費生活相談窓口を週5日(4日)以上開設できるようにするために、県として必要な支援を行ってください。

2 市町村における消費者教育・啓発、消費者団体活動の格差をなくし、県民の消費者力向上のため場(会場)の提供を含めて支援体制を強化してください。

3 各市町村も、消費者行政を位置づけて、相談員体制、職員配置など強化をしてください。

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6.最後に・・・生協・組合員としての消費者問題・消費者行政のかかわり

(1)今回の「神奈川県・県内市町村の消費者行政の現状と強化充実のために(提言)」は、県生協連が提起し消費者会議かながわなどと共同して、国や神奈川県・県内市町村に要請していくものです。 消費者問題は複雑化・多様化・構造化しており、国や自治体の消費者行政を強化することは極めて大切ですが、それだけで解決できるものではありません。予算や体制の強化を国や県に要望しつつ、消費者・生活者自身の課題として消費者問題について積極的・主体的にかかわり、活動を強め、行政と協力・共同していく活動も大変重要になっています。

(2)とりわけ、振り込め詐欺や還付金詐欺など消費者被害が再燃する状況で、消費者団体の一員として生協・組合員・消費者自らが、「消費者被害の未然防止の活動、情報提供・啓発・学習活動、行政との連携した取組み、活動のネットワーク化」など活動を積極的に推進していくことが重要となっています。 

これらの活動をとおして、「自分で判断し、行動することのできる実践的な態度や知識(=「消費者力」)を身につけた、自立した消費者・賢い消費者・行動する消費者」をたくさん創造していくことが大切です。 

そのために

◇ 学習活動

  • 消費生活にかかる連続講座(消費者力の育成)開催
  • 消費生活センター主催の学習会への参加

◇ 情報提供・啓発活動(消費者被害にあわないために) 

  • 各生協機関紙での「消費生活シリーズ」宣伝 
  • 身近な消費生活センターの電話番号の宣伝 
  • 消費者被害の学習会、連続講座開催

◇ 行政の調査と話し合い

  • 各市町村の消費者行政の調査 
  • 調査に基づく市との話し合い

◇ 中心となる組織、人材育成

  • 「消費者被害をなくす」取組みなど会員生協としてどのような活動ができるか検討する。
    併せて、県生協連の場で会員生協の交流を深め、共同した取り組みを行う。
  • 消費者力検定試験への参加訴え

◇ ネットワーク化

  • 生協運営協議会での該当する行政との懇談
  • 「消費者会議かながわ」との連携強化

以上の活動を、県生協連組合員活動委員会を中心に話し合い、県生協連・会員生協・生協運営協議会で意思統一をふかめ、条件に応じて実践をはかります。

以上

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